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就労ビザから配偶者ビザへの切り替え方法は?変更に必要な書類や手順
就労ビザで日本に在留している外国人パートナーとの結婚を考えた際、以下のような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?
- 「就労ビザから日本の配偶者ビザに切り替えることはできる?」
- 「就労ビザから配偶者ビザへの切り替え方法は?」
すでに就労ビザなどの長期滞在ビザで日本に在留している外国人の場合、結婚後は配偶者ビザに切り替えてそのまま日本に滞在することが可能です。
しかし、ビザ切り替えの条件を満たす必要があるうえ、そもそもビザを切り替えるべきかどうかは人によって異なるでしょう。
本記事では、就労ビザから配偶者ビザへの切り替えについて詳しく解説します。満たすべき条件や手続き手順、切り替えるメリット・デメリットについても説明するので、ぜひ参考にしてください。
就労ビザは配偶者ビザに切り替えられる?
結論から言うと、就労ビザから配偶者ビザ(結婚ビザ)への切り替えは可能です。
切り替えは義務ではありませんが、配偶者ビザに切り替えることで日本での就労に関する柔軟性が高まり、退職や転職の制約もなくなるなどのメリットが得られます。
ただし、在留資格を就労ビザから配偶者ビザに切り替えるには、以下4つの条件を満たさなければいけません。
- お互いの母国で法的な婚姻関係が成立していること
- 結婚や夫婦生活の実体があること
- 生活を維持できる収入があること
- 同居していること
それぞれの項目について、詳細を確認していきましょう。
お互いの母国で法的な婚姻関係が成立していること
大前提として、配偶者ビザの申請ができるのは「国際結婚の手続き」が済んでいる夫婦です。つまり、2人の婚姻関係が日本と配偶者の母国両方で、法的に承認されている必要があります。
そのため、「事実婚」「内縁関係」のように、婚姻の意思があるだけの状態では配偶者ビザは取得できません。
結婚が法的に認められているかは「結婚証明書」で確認されます。とはいえ、結婚証明書という名称の書類が存在するわけではありません。
結婚証明書として有効な書類を以下に記載します。
●日本の場合
・婚姻事実の記載がある「戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)」
●外国の場合
・申請人の国の公的機関から発行された結婚証明書
手続きには必須の書類なので、用意しておきましょう。
なお、中国・アメリカ・イギリス・カナダなどは、日本で国際結婚手続きを行うと相手側の母国から結婚証明書が発行されません。
そもそも結婚証明書を発行しない国もあるので、その場合は結婚証明書がなくても配偶者ビザへの切り替え手続きは可能です。
各国における国際結婚手続きについては、以下の記事でも紹介しているので、合わせて参考にしてください。
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結婚や夫婦生活の実体があること
配偶者ビザを取得するためには、二人が実際に交際を経て結婚し、本当に夫婦として生活していると証明しなければなりません。この要件は偽装結婚を防ぐための重要な項目であり、審査では細かく慎重に確認されます。
夫婦関係を証明する資料としては、交際中に撮影した写真やチャット、メールのやり取りを印刷したものが有効です。また、出会った日付や場所、デートや旅行の情報など、可能な限り証拠となる資料を準備しておくことが望ましいでしょう。
これらの証拠資料は、二人の交際がどのように進展し、結婚に至ったのかを具体的に示すために役立ちます。審査をスムーズに進めるためにも、丁寧かつ十分な準備をしておきましょう。
生活を維持できる収入があること
配偶者ビザを取得する際、特に重視されるのは「経済的安定性」の証明です。二人が日本で「安定した生活」を送るために、十分な収入が確保されているかどうかが確認されます。
たとえ法的に婚姻関係が成立しており、実際に結婚生活を送っていたとしても、生活基盤が不安定であればビザの取得は困難です。
配偶者ビザ取得に必要な収入額は具体的に公表されていませんが、目安として月収20万円(年収240万円)程度が望ましいとされています。ただし、審査において重要視されるのは、夫婦が日本で安定した生活を送れるかどうかです。
収入が目安に達していなくても、生活基盤が安定していることを証明できれば、ビザが認められる可能性もあります。生活基盤の安定を保障できる可能性があるものとして、「実家暮らしであること」「貯蓄があること」「資産があること」などが挙げられます。
同居していること
配偶者ビザを申請するには、夫婦が実際に同居していることを証明する必要があります。
ただ住民票を提出するだけでは不十分で、居住状況に関する具体的な情報も求められます。特に、住居の間取り・広さが審査基準の一つとなっており、単身用の住居では同居の実体が疑われる可能性があります。夫婦として生活するのに適した広さの住居に居住していることが条件となるでしょう。
証明書類として有効とされるのは、賃貸契約書や住宅の間取り図・写真です。また、夫婦の生活の実体を示すために、公共料金の支払い証明書や生活費の分担状況を示す資料の提出が推奨されることもあります。
就労ビザから配偶者ビザへ切り替えるのに必要な書類
就労ビザから配偶者ビザへ切り替える際は、以下の書類が必要です。
1. 在留資格変更許可申請書
2. 6ヵ月以内に撮影した証明写真(サイズ:4 × 3cm、在留資格変更許可申請書に添付)
3. 配偶者(日本人)の、婚姻事実の記載がある「戸籍謄本(全部事項証明書)」
4. 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書と、その日本語訳
5. 収入証明書(日本での生活基盤を証明するもの)
・日本人の直近1年分の「住民税の課税(または非課税)証明書」及び「納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)」
・預貯金通帳の写し、「雇用予定証明書」または「採用内定通知書(日本の会社発行のもの)」
6. 配偶者(日本人)の身元保証書
7. 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し
8. 質問書(交際の経緯や結婚に至る経緯を記載する書類)
9. 交際を証明できる資料
・スナップ写真2~3枚
・SNS記録や通話記録
10. 賃貸契約書や光熱費の請求書(同居の証明として、夫婦が同じ住所に住んでいることがわかるもの)
日本で発行される証明書に関しては、すべて発行日から3ヵ月以内のものを用意するのが原則とされています。また、日本以外で発行される書類も、できるだけ新しいものが望ましいでしょう。
なお、記載した書類は最低限必要とされているものです。場合によっては追加で必要な書類が出てくる可能性もあるので、事前に「外国人在留総合インフォメーションセンター」などへ問い合わせをするのがおすすめです。
配偶者ビザの審査に通るか心配、万全を期して申請したいという方は行政書士などの専門家のサポートを受けることも検討しましょう。
就労ビザから配偶者ビザへ切り替える流れ
就労ビザから配偶者ビザへ切り替える際は、現在所持している在留カードと必要提出書類を準備し、入管(入国管理局)で申請手続きをします。申請手続きの流れは次の通りです。
1. 必要書類を準備する
・在留資格変更許可申請書、住民票、結婚証明書、収入証明書など
2. 入管に申請
3. 審査
・入管で書類が審査される(追加資料の要求をされる場合もある)
4. 結果通知
・審査が通れば、在留資格変更許可通知書が届く
5. 新しい在留カードの受け取り
・入管で新しい在留カードを受け取る
なお、就労ビザなどの長期滞在ビザから配偶者ビザへの切り替え手続きについては「配偶者ビザの取得・申請方法は?必要書類やどこで申請できるのかも解説」でも詳しく解説しています。より詳しい手順を知りたい方は、こちらも合わせてチェックしてください。
就労ビザと配偶者ビザの違い|切り替えるメリットはある?
就労ビザと配偶者ビザでは「就労制限」「在留期間」「永住・帰化要件」に大きな違いがあります。ひとつずつ確認していきましょう。
|
項目 |
配偶者ビザ |
就労ビザ |
|---|---|---|
|
就労制限 |
なし |
あり |
|
在留期間 |
6ヵ月、1年、3年、5年のいずれか |
1年、3年、5年のいずれか |
|
永住・帰化要件 |
・家族関係 ・生計の安定 など |
・職務経歴 ・学歴 など |
上記の違いを踏まえると、配偶者ビザへの切り替えには以下のようなメリットがあるといえます。
- 就労や退職・転職の制約がなくなる
- 日本での永住・帰化の要件が軽くなる
それぞれのメリットについて、詳しくみていきましょう。
就労や退職・転職の制約がなくなる
就労ビザから配偶者ビザへ切り替えることで就労の制限がなくなり、仕事の選択肢が大幅に広がります。
就労ビザは働ける職種が限定的で、雇用形態や転職に関する自由度が低いのがデメリットです。
配偶者ビザではそのような制約がなく、日本人と同じように希望する職種で働くことができます。学歴やキャリアに関係なく新しい職種に挑戦することもできるでしょう。
さらに、アルバイトやパートなど多様な雇用形態で働けるようになるほか、就労しないという選択も認められるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な生活が実現できます。
日本での永住・帰化の要件が軽くなる
配偶者ビザを取得し、日本人配偶者との婚姻関係を維持することで、永住権の取得や帰化(国籍取得)がしやすくなります。
通常、永住権の申請をするには、日本での10年以上の居住が必要です。一方で、配偶者ビザを持っている場合、3年以上の結婚生活が継続されていて、そのうちの1年を日本で暮らしていれば申請が可能になります。
帰化申請においても、日本で必要とされる居住期間が短縮されるほか、生活基盤や収入の条件が柔軟に認められる場合があります。
配偶者ビザは、日本での長期的な滞在や国籍取得を目指す際に大きなメリットになるといえるでしょう。
ビザの切り替え義務はない!配偶者ビザに切り替えない方がよいケースとは
配偶者ビザへの切り替えは任意であり、必須ではありません。そのため、中には就労ビザを配偶者ビザへ切り替えない方がよいケースもあるでしょう。
ここでは、配偶者ビザへ切り替えない方がよいケースを2パターン紹介します。
就労ビザの方が都合がよい場合
現在の仕事上、配偶者ビザよりも就労ビザの方が都合がよい場合は無理に配偶者ビザに切り替える必要はありません。
例えば、特定の職種でのキャリアアップを目指している場合は、就労ビザを維持する方がよいとされています。就労ビザを保持していれば、業務に関連する資格の更新や研修をスムーズに受けられる場合があるからです。
また、転職後も同じ業種で働き続ける予定がある場合や、配偶者ビザへの切り替えによる生活環境の変化を避けたい場合にも、就労ビザをそのまま維持するのが適しているケースがあります。
5年間の在留ビザがある場合
現在所持している就労ビザが「5年間の長期在留資格」ならば、配偶者ビザへの切り替えは慎重に検討しましょう。
5年間の長期在留ビザは、就労ビザの中でも最も在留期間が長く、安定して滞在できる資格といえます。更新の頻度が少なく、在留期間を管理しやすい点が大きなメリットです。
一方で配偶者ビザは、初回に付与される在留期間が1年となることが多いため、1年ごとに更新手続きを行う必要があります。更新時には、改めて夫婦の生活実体を証明する書類を準備しなければいけません。例えば、住民票や公共料金の支払い証明、1年の間に夫婦で撮影した写真、生活費の分担状況を示す資料などが必要です。
切り替えを検討する際は、現在持っている就労ビザによる安定性と、配偶者ビザへの変更によるメリットやデメリットをしっかり比較しましょう。これからの生活計画に合った選択をすることが何より大切です。
就労ビザから配偶者ビザへの切り替えに関してよくある質問
ここからは、就労ビザから配偶者ビザへの切り替えに関してよく寄せられる質問と、その回答を紹介します。特に、技能実習生や切り替えについて知りたい方も多いため、丁寧に解説していきます。
技能実習生から配偶者ビザへの切り替えはできますか?
技能実習生が配偶者ビザへ切り替えることは、技能実習制度の本来の目的に反するため、原則不可となっています。
前提として覚えておきたいのが、技能実習ビザは「外国人が日本で技術や知識を学び、それを持ち帰り、母国の発展に貢献する」ことが目的のビザだということです。
在留期間を終えたら、日本で習得した技術・知識を母国へ持ち帰り、国で就労することが求められます。そのため、技能実習生が日本での生活を継続する目的で配偶者ビザに切り替えることは、制度の趣旨に反する行為とみなされることがほとんどです。そのため、基本的には技能実習期間修了後、帰国してから配偶者ビザを申請することをおすすめします。
ただし、切り替えが絶対に無理というわけではありません。監理団体や企業、送り出し機関から承認を得ることで変更が認められる場合もあります。
また、配偶者が妊娠している・子どもを出産したといった特別な理由がある場合、例外的に審査が通る可能性があります。このケースにおいては結婚の実体証明や監理団体の承諾書が必要で、特に監理団体の対応や規定が大きな影響を与えるため、事前の確認が重要です。
技能実習生から配偶者ビザへの切り替えについては、個人で行うのが難しいケースも多いので、行政書士などの専門家へ相談し、手続きをサポートしてもらうことをおすすめします。
就労ビザから配偶者ビザへの切り替えにかかる期間は?
就労ビザから配偶者ビザへの切り替えには、通常1ヵ月〜2ヵ月程度の審査期間が必要です。
しかし、申請内容や申請時期によってはさらに時間がかかる場合もあります。特に、提出書類に不備があったり、追加資料の要求があったりすると、審査が遅れる原因になるでしょう。
また、例年2月から6月ごろは申請が集中する繁忙期のため、審査内容が詳細に確認される場合も期間が延びることがあります。そのため、事前に必要書類を揃え、不備がないか確認してから申請することが重要です。
書類の正確な準備や早めの対応を心がけることで、審査のスムーズな進行が期待できます。不明点がある場合は、行政書士などの専門家に相談し、手続きに漏れがないよう進めるのがよいでしょう。
まとめ|就労ビザから配偶者ビザへの切り替えは行政書士に相談を
就労ビザから配偶者ビザへの切り替えには、申請書類の準備や申請条件の確認など、さまざまな手続きが必要です。
特に、収入や結婚の実体に関する審査が厳しいため、提出する書類に関してもルールが多くわかりづらいでしょう。さらに、申請が集中する繁忙期や書類の不備があると審査期間が延びることもあります。
また、特定の状況においては審査基準がより複雑になるため、行政書士などの専門家に相談するのがおすすめです。行政書士は、必要書類の確認や申請のサポートを通じて、スムーズなビザ切り替えをお助けします。
ビザの切り替えは、今後の生活計画や将来の選択に大きく影響します。自分に最適なビザやその条件を正しく理解し、不安なく手続きを進めるために、専門家のサポートを受けることをぜひご検討ください。
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